『そや☆コリ』24 窓からCD投げ込まれました

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主役のチョン・ジェヨンさん、「トンマッコルへようこそ」にも出ていた人で、
上手だなぁ~と思っていましたが、
この映画ではもうほんとに捨て身なところがすごいです。
かっこつけるなんてこと全然できない極限の人間を描くわけですから。
んで、わてはその捨て身なリアル演技に惚れました(*^m^*) 
今度、チョン・ドヨンさんと共演だそうですね。楽しみです♪

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

数日前に私が映画館で観てきた映画の話をしていた。


日本語タイトル「彼とわたしの漂流記」
韓国語タイトル「キム氏漂流記(キムシ ピョリュギ)」


人生に行き詰まり、ソウルを流れる漢江に身を投げたはずのサラリーマン、キム。
ところが目が覚めると、中州というには大きすぎる、都会のなかの無人島に漂着していた。
泳げないので脱出できない。
目の前に街があって人の行き来も見えるのに、誰にも気付いてもらえない。
でもこんな絶望的な状況のなかで、今度は“生きるために”サバイバルな生活にチャレンジしていく。
一方、対岸のマンションに住むもうひとりのキム。
マンションの自室で3年の引きこもり生活を送る女性は、ある晩カメラ越しにキムの姿を見つける。
そこから始まる二人の奇妙な交流。
切なさがしみじみと胸にしみる物語だった。

 

ヒロインが3年間ひきこもっていたということから、そんな話になった。

 

「“ひきこもり”って、韓国ではなんていうんですか?」

「そのまま“ひきこもり(※1)”ですね。」

「えっ? まんまですか?」

「そうです。最近ですからね。社会問題化したのは。
日本の状況がそのまま韓国に当てはまるということで、
そうなったのだと思います。」


「なるほど・・・」


「でも、昔もありました。
僕もそうでした。」


「はぁ?」


「ひきこもっていたんです。1年くらいかな?」


「あらま・・・ほんとですか?」


「はい。とても厳しい受験勉強をして、
必死で大学に入ったんですが、
入学してすぐ大学というところに失望しました。
なんだ、こんなところだったのかと思いました。」


     青年が入学した大学は、
     韓国のなかで超トップレベルと言われている。

 

「ひきこもって何をしてたんですか?」


「とにかくずっと本を読んでいました。
哲学の本を中心に。
図書館だけは行きました。」


「先生のおうちって、ソウルのど真ん中ですよね。
都会の真ん中でひきこもりか・・・
この映画に似てるなあ。」


「僕の場合、場所的な問題もあったんです。
その頃ちょうどソウルの中心街は都市計画が実行されて、
どんどん新しく街が作り変えられてる最中だったんですね。
だから僕の家も立ち退きをする地域だったんですが、
最後の一軒のようになっていました。」


「それって・・・
どういうことですか?」


「つまりですね、僕のうちのまわりはどんどん建物が壊されて、
ずっとずっと向こうまで何もない廃墟みたいな状態になってしまったんです。
瓦礫の山みたいな。」


「わぁ・・・」


「なので、自分の家を出てから人が息づいている場所に出るまで、
廃墟の中をたくさん歩かなければならなくなりました。
それがね、結構大変なんです。
ほんとに面倒になってしまうんです。」


「なんで一軒だけになっていたんですか?」


「たぶん父が・・・
動かないでねばっていたらいいことがあると思ったのでしょうね。
たくさんお金もらえるとかね。」


「あらま。」


「なので、まさにヒキコモリでした。」


「友だちとは?」


「家がそんなふうな中で一軒あることも恥ずかしかったですし・・・
あ、そうそう、ある日、窓からCDが投げ込まれました。」


「先生の部屋に?」


「はい。心配してくれていた友だちが、
わざわざ家まで来てくれて。」


「なんのCDですか?」


「キム・ガンソク(※2)という・・・
日本で言うと尾崎豊みたいな歌手のCDです。」


「へぇ~~。どんな曲ですか?」


「はい。『起きろ!』という曲です。」


「あは!・・」


「あはは・・・」


「じゃあ、それを聞いてほんとに起きあがって外に出て行ったとか?」


「いえ、そうではありませんね。はは。
それだったらかっこいいですね。
実際は、僕の様子に我慢の限界が来た母が、
勝手に軍隊の入隊手続きしちゃって。」


「えぇ~~~!」


「一週間後に入隊だって。いきなりです。
ほんとにもう・・・
ほんとにびっくりして怒って、なんとか変えてもらおうと思って、
お願いしに窓口に行ったんですがダメでした。」


「それで・・・一週間後にほんとに入隊したんですか?」


「はい。」


「あらまぁ~~」


「でも、今となったらそのタイミングも、悪くなかったかなと思っています。
人生になにか変化が訪れる時というのは、
そういうことなのじゃないですかね。」


「う~ん、なんか、わかるような気がします。
でも、すごいですね。
その“いきなり度”がすごすぎる・・・」


「はい。僕の人生は・・・
こんな感じなんですね。いろいろ。」


「いろいろって、また突然なにかありそうですか?」


「いや、これから突然あるならば、今の僕にはまだわからないでしょ。
突然なんですから。
あぁ・・・僕にはこれから、何が起こるのかな。」


「・・・・」

 

      なんか、遠い目・・・
      青年、ちょっと疲れてるか?

 

      青年は、除隊後に元の大学には復学せず別な大学に入り直して、
      さらに違う大学の大学院を卒業したそうだ。
      そしてしばらく大学講師の生活をしたあと日本の大学院に留学した。
      “青年”と呼んではいるが、結構年を重ねている。

      日本の女性と結婚したのもまた縁だなあ~~。
      探求する学問の分野で、まだ見通しがもてない彼の人生だけど、
      この先どんなかたちになっても、
      この“のほほんなペース”と“真摯な探求心”が
      両立しつつ花開く時が来るといいなと、
      相変わらずの脱線バナシをしながら、
      ひそかに、でも心から願っているのだ。


      しかし・・・
      最近ちょっと元気ないのだ。

      来週は、チュソク(秋夕)の帰省のため、授業はお休みだ。

 

 

   ・・・・・・・・・・・・・

 

 


   ※1 韓国語でも“ひきこもり”

      韓国版ウィキペディアに出ていました。
      (韓国では『ウィキベックァ』という名前でした。ベックァは百科です。)
      こんな出だしでしたーーー
      『“ひきこもり”は、部屋や家などの特定の空間から出て行けない或いは
       出ていかない人と、その現象の全てを称する日本の新造語である。
      “とじこもり”(これも日本語そのまま)とも言い、
      2チャンネル等の日本のインターネットサイトでは
      “ヒッキー”と縮めて呼ぶこともある・・・・』
      このあとに続く文章でもいろいろ紹介されています。
      その現状、韓国でその定義がされるまでの過程、“オタク”との違い、
      社会復帰についても触れられていました。

 

   ※2 キム・グァンソク

      1964年生まれの歌手で、青年は尾崎豊と例えましたが、
      彼が音楽を志していく過程を読み、曲を聴くと、
      私は岡林信康のほうがずっと近いと感じました。
      そもそも青年は岡林さんを知らないですね(^_^;)

      メッセージ性の強い曲がたくさんあります。
      映画「JSA」の挿入歌となった『二等兵の手紙』もそうです。
      残念ながら1996年に自ら命を絶ち、今は伝説の中に生きる人です。
      その鮮烈で短い人生が、青年には尾崎豊につながって
      感じられるのかもしれないです。
      

 

 

  ♪ 本日の ワンポイントはんぐんまる(韓国語)♪

 


■ 起きろ! 

  イロナ!


■ 一週間後に    入隊です

  イルチュイルフエ イプテエヨ


■ 除隊後に  違う大学に   入学しました

  チェデフエ タルンテハグエ イッpパク ヘッソヨ


■ 来週は     チュソクなので 授業はありません

  タウムチュヌン チュソクイオソ スオビオプソヨ

 

 

 

 

5 Comments

  1. わ~い、わ~い、『そや☆コリ』だ。
    シータは韓国語を習っているだけあって 韓国映画もよく見ているのね。私は アンコちゃんどすこいちゃんと見に行った変な吸血鬼の映画(「乾き」だったかな)以来見ていないかも(^^;)
    この映画って すぐそこに人がいる状態で漂流してるって設定が可笑しいね。でも感覚的にはわかる気がする。 街なかで 人がいっぱいいる所を歩いていると 自分が漂流しているような気がする時もあるよね。 
    しかし「引きこもり」って 韓国語にもなっていたのね。
    「オタク」も海外で通じるらしい。 
    「オタク」やら「引きこもり」が日本発の言葉ってのもどうかと思うけど(--;)。
    えーと 前に心理学の本で読んだことがあるけど 引きこもりにも2種類あるみたいです。
    興味のあることが外になくて 自分の好きなことを深めるために引きこもっている(学者ってつまりコレよね)場合は、「豊かな自閉」とか言って 問題視するべきものじゃないそうで。
    青年の場合はイロイロあったにせよ 「半分豊かなひきこもり」だったんじゃないでしょうかね。
    そこからいきなり軍隊へ入ったら すごい状況変化だったでしょうなあ・・
    ワム青年も面白いけど ワム母の豪腕ぶりもすごい。
    >でも、今となったらそのタイミングも、悪くなかったかなと思っています。
    そう言えて 良かったですね。
    しかし青年 最近ちょっと元気ないのか・・・心配ね。
    会った事も無い 異国生まれの青年を心配できる
    インターネットって凄い。

  2. あ・・(@@;) 匿名にしちゃった。
    日焼けで真っ黒になったボニボニです。

  3. ボニさん コメントありがとう!
    >シータは韓国語を習っているだけあって 韓国映画もよく見ているのね。
    はい、連続で観ちゃったらすぐにドラマ廃人になるからドラマを観ないようにしてる分、映画はけっこう観てるんだよ。
    >私は アンコちゃんどすこいちゃんと見に行った変な吸血鬼の映画(「乾き」だったかな)以来見ていないかも(^^;)
    それって何?(笑)
    逆にその映画を知らない私(@_@)
    >でも感覚的にはわかる気がする。 街なかで 人がいっぱいいる所を歩いていると 自分が漂流しているような気がする時もあるよね。 
    なるほど・・・
    そういうのが元々のテーマだったかもしれない・・・
    いや、きっとそうだ。
    ・・・マジで、きっとそうだ!って気がしてきたぞ!!
    >しかし「引きこもり」って 韓国語にもなっていたのね。
    「オタク」も海外で通じるらしい。 
    すごいでしょ。
    なんかね、日本でこの言葉が定着したあと韓国でも大学の先生や企業の専門機関が共同で調査して発表したんだって。
    韓国も同じ現象があるって。
    んで、ことばもそのまま使われたらしいんだけど。
    でも、「ウンドゥンヒョン ウェットリ」という言葉も使われてるみたい。
    直訳すると「隠遁型ひとりぼっち」ということらしいです。
    >「オタク」やら「引きこもり」が日本発の言葉ってのもどうかと思うけど(--;)。
    うん(-_-;)
    >興味のあることが外になくて 自分の好きなことを深めるために引きこもっている(学者ってつまりコレよね)場合は、「豊かな自閉」とか言って 問題視するべきものじゃないそうで。
    青年の場合はイロイロあったにせよ 「半分豊かなひきこもり」だったんじゃないでしょうかね。
    なるほど・・・
    ほんと、そうかも。
    ただただ大学に入ることを目標に掲げておしり叩かれてひたすら勉強したあと心を支配したむなしさから抜け出すために、
    ある意味創造的なリハビリしてたって感じするなあ。
    >ワム青年も面白いけど ワム母の豪腕ぶりもすごい。
    このお母さん、聞けば聞くほど、よくドラマに出てくる愛すべき韓国のオンマなのです!
    >しかし青年 最近ちょっと元気ないのか・・・心配ね。
    会った事も無い 異国生まれの青年を心配できる
    インターネットって凄い。
    うん。そして本人は心配されてることなんて全く知らないんだよね。
    すごいな・・・
    んでもって、私、ちょっと怖くなっちゃう。
    いつか彼がこの存在を知る日が来たらどうしようかって(=_=)

  4. シータさん、こんばんは~^^
    ものすごく久しぶりのレスですみません。
    ひきこもりとオタクが日本語でそのまま通じるとは知りませんでした。
    日本のみならず韓国でもそういう方達が増えてきているのって、
    競争社会のレールに乗らない!と主張する人が増えてきている
    ことなのかしらね~~?
    だって日本以上に受験戦争が凄いし、大学偏重社会だものね。
    意識的にはみ出してしまうのか、
    ついて行かれなくて殻にこもっちゃうのか・・・
    どちらにしても、親は心配します。(;;)
    それにしてもワム青年(そろそろ青年とは呼びがたい??)
    ホントに真面目で、物事をとても真摯に捉える方なのかしらね~
    でもどこか抜けていて、オバサンから見るとほのぼのと面白い^^
    またワム母の豪腕が驚きです。同じ立場になったらできるかな~~?
    息子を軍隊に放り込んでしまう・・・・って。
    この決断力、ちょっとメモしておこう・・・
    ここでこんなに有名人になっていることをワム青年は知らない訳ですが
    ずっと知らないままでいて欲しいな^^;
    こっそり応援してますよ~~!

  5. hiroさん
    コメントくださってありがとうございます!
    >だって日本以上に受験戦争が凄いし、大学偏重社会だものね。
    意識的にはみ出してしまうのか、
    ついて行かれなくて殻にこもっちゃうのか・・・
    ほんとに、学歴重視は日本以上のようですね。
    しんどくなる人がいてもおかしくないですよね。
    まだまだ表面に見えてきていないこともいろいろあるかもしれないなあ。
    日本も同じでしょうけど。
    >それにしてもワム青年(そろそろ青年とは呼びがたい??)
    ホントに真面目で、物事をとても真摯に捉える方なのかしらね~
    でもどこか抜けていて、オバサンから見るとほのぼのと面白い^^
    はい、そのとおりなんです。
    それに、おばさんをおばさんと思わずに、対等に話せる人だというところが魅力です。
    おばさんを適当にあしらうとか、韓流ファンを鼻で笑うとか、そういうのが全然ないですしね。
    >またワム母の豪腕が驚きです。同じ立場になったらできるかな~~?
    息子を軍隊に放り込んでしまう・・・・って。
    この決断力、ちょっとメモしておこう・・・
    うんうん、これぞ韓国の母!って感じで、ドラマに出てくるオンマみたいなんですよ。
    聞けば聞くほどそんな感じ(笑)
    >ここでこんなに有名人になっていることをワム青年は知らない訳ですが
    ずっと知らないままでいて欲しいな^^;
    こっそり応援してますよ~~!
    こっそり応援ありがとう~~~(^o^)
    そうです、ずっと知らないままでいてほしい。
    永遠に。
    絶対絶対しらないままで~~~!

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